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ネズミ忌避剤によく使われるハッカ油の成分について調べたところ、主成分はl-メントールで、その他l-メントンなどのケトン類が含まれることがわかった。ハッカの香りは好き嫌いが分かれるが、特に小動物への使用には注意が必要だ。肉食動物はケトン類を分解できず、肝不全などを引き起こす可能性がある。草食動物や雑食動物でも分解能力は低い。ケトン類の分解が滞ると有害なので、ハッカ油の摂取には気をつけなければならない。
カテゴリー : 農薬
胡椒薄荷とハッカ油
ポリフェノールの抗酸化作用を栽培で活用する
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施設栽培では、軽度の鉄欠乏でも生育や収量に影響が出やすい。鉄欠乏は土壌pHの上昇や、灌水水の炭酸水素イオン濃度が高い場合に発生しやすく、初期症状は新葉の黄化だ。症状が進むと葉脈のみ緑色となり、最終的には葉全体が白化し枯死する。軽度の鉄欠乏は目視では判別しにくいため、葉緑素計を用いた測定や、葉身の養分分析による早期発見が重要となる。対策としては、土壌pHの調整や鉄資材の施用、適切な灌水管理などが挙げられる。
水田で使用する殺虫剤はウスバキトンボに影響を与えるのか?
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水田で使用される殺虫剤は、ウスバキトンボの幼虫(ヤゴ)に影響を与える可能性がある。しかし、具体的にどのような影響を与えるかはまだ明確になっていない。一方で、ウスバキトンボは止水で産卵するため、水田の綺麗さは産卵に大きな影響を与えないと考えられる。ただし、農薬が他のトンボのヤゴに影響を与えていることから、ウスバキトンボのヤゴにも何らかの影響がある可能性はある。また、殺虫剤がジャンボタニシにも影響を与えない場合、殺虫剤がジャンボタニシの個体数を増やす要因となってしまい、問題になる可能性がある。
ナメクジは石灰が苦手なのか?
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ナメクジ対策として、長崎県がシイタケホダ場周辺への石灰施用で被害軽減を確認した事例を紹介しています。理由は不明ですが、筆者は自宅の生ゴミ処理場に石灰乾燥剤をまいてみることにしたようです。効果のほどは不明ですが、生ゴミ処理場自体を土壌改良してから取り組むべきだと、過去記事へのリンクを添えて示唆しています。
メチルイソチオシアネートは土壌中でどのように変化するか?の続き
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硫安などの硫酸塩肥料を多用した土壌では、硫酸還元細菌が硫酸根から硫化水素を生成している可能性があります。そこに土壌消毒剤メチルイソチオシアネートを使用すると、硫化水素と反応して二硫化炭素が発生する可能性があります。二硫化炭素は土壌を酸化させるため、肥料成分の吸収を阻害する可能性も考えられます。硫酸塩肥料は多用されがちですが、土壌への影響も考慮する必要があるかもしれません。
メチルイソチオシアネートは土壌中でどのように変化するか?
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最近の肥料に記載される「酸化還元電位」は、土壌中の物質が電子をやり取りするしやすさを示します。電位が高いほど酸化状態になりやすく、低いほど還元状態になりやすいです。酸素呼吸をする植物の根は、土壌を還元状態にするため、酸化還元電位の調整は重要です。窒素肥料は、土壌中で硝酸化成を経て硝酸態窒素になる際に、土壌を酸化させるため、酸化還元電位に影響を与えます。適切な酸化還元電位の管理は、植物の生育にとって重要です。
隔年結果とジベレリン
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ジベレリンは、植物ホルモンの一種で、種無しブドウの肥大、果実の着色促進、発芽促進などに利用されます。特にミカンの隔年結果対策として、冬期のジベレリン散布は有効です。これは、ジベレリンが花芽形成を抑制し、翌年の結実量を調整することで、隔年結果を防ぐ効果を狙っています。ただし、ジベレリンは植物の生理作用を調整する物質であるため、使用時期や濃度を誤ると、薬害が生じる可能性があります。そのため、適切な使用方法を理解することが重要です。
中干し無しの田でジャンボタニシが減った気がする
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筆者は、中干しなし+レンゲ栽培をしている田んぼでジャンボタニシが減った可能性を考察しています。 ポイントは、土壌中の鉄分の酸化還元です。①レンゲにより土壌中の有機物が増加②春に土壌表面が急速に褐色化したことから、鉄分が酸化③その後、潅水により鉄分が還元され土壌中に蓄積この還元された鉄をジャンボタニシが摂取することで、農薬と同様の効果が生まれたと推測しています。そして、タンニン鉄が有効なのではないかと結論付けています。
意外なところからマンガン過剰
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牛糞で土作りすると、窒素過多、未分解有機物によるガス害、リン酸過剰、カリウム欠乏、雑草種子混入、塩類集積、病害虫リスクなどの弊害が生じることがあります。特に完熟堆肥でない場合、窒素過多による生育障害や、未分解有機物が分解時にガスを発生させ根を傷つけることが問題となります。また、リン酸過剰やカリウム欠乏を引き起こす可能性もあり、適切な施肥計画が必要です。さらに、雑草種子や病害虫のリスクも高まるため、注意が必要です。
植物体内でのα-リノレン酸の使いみち
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野菜の美味しさは、人間にとって必須脂肪酸であるリノール酸とα-リノレン酸の摂取と関係している可能性があります。野菜は、組織が損傷した際にこれらの脂肪酸からジャスモン酸や緑の香り成分(GLV)を合成します。これらの物質は、害虫からの防御やストレス耐性に貢献します。つまり、美味しく感じる野菜は、これらの防御機構が活発に働いているため、より多くの必須脂肪酸を含んでいる可能性があり、健康効果も高いと考えられます。
今年はリン酸施肥について考えた一年であった
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牛糞堆肥を施用すると、土壌中のリン酸濃度が上昇し、生育初期に生育が促進される一方、後々生育障害や病害発生のリスクが高まる可能性があります。具体的には、リン酸過剰による根の伸長阻害、微量要素の吸収阻害、土壌pHの上昇による病害発生などが挙げられます。これらの問題は、牛糞堆肥の投入量を減らし、化学肥料や堆肥の種類を組み合わせることで改善できる可能性があります。
除草剤でBCAA合成に影響があるものはあるか?
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除草剤の中には、植物のBCAA合成を阻害するものがあります。特に、ALS(アセト乳酸合成酵素)阻害剤は、BCAA合成の初期段階を阻害することで、イソロイシン、ロイシン、バリンの生成を妨げます。ダイズ栽培では、ALS阻害剤耐性遺伝子組み換えダイズが存在することから、実際にALS阻害剤が使用されている可能性があります。しかし、実際の使用状況については更なる調査が必要です。
ショウジョウトンボらしきトンボを見かけたよ
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ショウジョウトンボは、翅の付け根が赤いトンボです。日本では、農薬散布の影響で数が減っている可能性があります。トンボは、稲作の害虫であるウンカを食べる益虫ですが、ウンカは農薬耐性を持ちやすいため、駆除が困難になっています。さらに、大陸から飛来するトビイロウンカや、レンゲ栽培による雑草増加など、稲作の難しさは増しています。
稲作を理解するために赤トンボを学びたい3
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アキアカネは暑さに弱く、夏の暑さを避けるため高地に移動する習性を持つ。近年の猛暑により、移動途中に命を落とす個体が増加している可能性が示唆されている。さらに、産卵のために秋に水田に戻ってくる際に、農薬の影響を受ける可能性も懸念される。一方、ヤゴの生育環境は都市部でも特別な場所である必要はなく、個体数減少の要因としては、猛暑の影響が大きいと考えられる。アキアカネの生態は、稲作における農薬の使用や気候変動の影響など、様々な要素と複雑に絡み合っている。
稲穂を守っているようなカマキリ
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水田には、害虫を食べる益虫が多く存在します。クモは様々な害虫を捕食する重要な天敵です。寄生バチはウンカやヨコバイ、ガの幼虫に寄生し、数を減らします。トンボやカエルも重要な捕食者です。これらの天敵は農薬の影響を受けやすく、その保全には農薬の使用方法に配慮が必要です。生物農薬や天敵温存型の農薬を選択することが、天敵と共存する上で重要です。
稲作の害虫の天敵が集まってくる田の続き
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イネはシリカを吸収すると、葉が硬くなり倒伏しにくくなるだけでなく、病気や害虫への抵抗力も高まります。これは、シリカが細胞壁に沈着することで物理的な強度が増すとともに、植物の防御機構を活性化する働きがあるためです。具体的には、シリカはイネの葉に多く蓄積され、表皮細胞の細胞壁を強化することで、害虫の侵入や病気の感染を抑制します。また、シリカはイネの免疫システムを刺激し、病原菌に対する抵抗力を高める効果もあります。さらに、シリカはイネの光合成を促進し、収量増加にも貢献します。これは、シリカが葉の表面に薄い層を作り、光を効率よく吸収できるようになるためです。
冬期のレンゲ栽培は田植え後の雑草管理に影響するか?
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田植え前のレンゲ栽培が、田植え後の雑草抑制に効果がある可能性を示唆する記事。レンゲ栽培を行った田では、雑草の発生が抑制され水が澄んでいる様子が観察された。レンゲ栽培と鋤き込みが、田の生態系に影響を与え雑草抑制に繋がると推測。一方、一般的な除草剤はオタマジャクシに悪影響を与える可能性があり、結果的にカメムシ等の害虫増加に繋がる可能性も指摘。中干しなしの稲作と合わせて、環境負荷の低い雑草対策の可能性を示唆している。
昨今の肥料不足に関して改善する余地は大きい
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日本の農業は肥料不足が深刻化しているが、土壌改善により改善の余地は大きい。土壌劣化により保肥力が低下し、必要以上の施肥が必要となっている現状がある。土壌分析を活用し、リン酸やカリウムの使用量を見直すべきである。窒素は土壌微生物による窒素固定で賄える可能性がある。日本の豊かな水資源を活用した土壌改善は、肥料使用量削減の鍵となる。慣習的な栽培から脱却し、土壌と肥料に関する知識をアップデートすることで、省力化と生産性向上を実現できる。今こそ、日本の農業の転換期と言えるだろう。
田植え後の最初の難所のジャンボタニシをどうにかできないものか
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## ジャンボタニシ被害と対策に関する記事の要約(250字)この記事では、田植え後のジャンボタニシ被害への対策について考察しています。筆者は、ジャンボタニシが稲をよじ登り損傷を与える様子を写真で示し、その深刻さを訴えています。対策として、水深管理や冬の耕起による個体数抑制、捕獲などの方法が挙げられています。特に、田んぼに溝を掘り、ジャンボタニシを集めて一網打尽にする方法や、大きくなったジャンボタニシは冬を越せないため、田んぼの外からの侵入を防ぐ必要性が論じられています。さらに、ジャンボタニシの生態や、過去に食用として輸入・養殖された歴史にも触れ、効果的な対策の必要性を訴えています。
養液栽培の養液の交換回数を減らすことは可能か?
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養液栽培で肥料不足のため養液交換ができないという相談に対し、根腐れを防ぎながら養液交換回数を減らす方法を検討する。根腐れの原因は、養液中の溶存酸素低下による糸状菌や細菌の増殖である。対策としては、紫外線や熱殺菌による殺菌、マイクロバブルによる酸素量増加が考えられる。さらに、根圏から分泌される成分を制御することで、病原性微生物の増殖を抑えるアプローチも重要となる。土耕栽培の知見も参考に、根圏環境の改善による根腐れ防止策を探ることが有効である。
ナメクジ対策の農薬
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ナメクジ対策の農薬について、リン酸第二鉄を主成分とするものが有効であることがわかった。ナメクジは貝殻を失う過程で臓器が小型化したと予想され、ジャンボタニシに比べてリン酸第二鉄の摂取量は少ないと考えられる。リン酸第二鉄は土壌中で還元され、フェントン反応によってナメクジに影響を与える可能性がある。土壌中のリン酸第二鉄の減少は、ナメクジ増加の一因かもしれない。土壌劣化との関連性も示唆され、今後の検討課題となる。
ナメクジとカタツムリ
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庭の野菜がナメクジの被害に遭い、駆除の前にナメクジへの理解を深めようとしています。ナメクジとカタツムリは共通祖先を持ち、カタツムリが殻を持ち続けたのに対し、ナメクジは殻を捨てました。これはナメクジが殻を捨てることで有利になる環境に適応した可能性を示唆しています。そこで、カタツムリの殻の機能を調べることで、ナメクジが捨てたメリットと、彼らが選んだ環境が見えてくるかもしれません。
イネの二次代謝物のフェノールアミドを調べてみた
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イネは、害虫であるトビイロウンカを防ぐため、フェルロイルプトレシンやp-クマロイルプトレシンというフェノールアミドを合成する。これらの物質は、ジャスモン酸の前駆体であるOPDAによって誘導される。p-クマロイルプトレシンは、リグニンの合成にも関わるクマル酸を基に合成される。土壌劣化はクマル酸合成に必要な微量要素の欠乏を引き起こし、イネの害虫抵抗性を低下させる可能性がある。つまり、土壌の健全性は、イネの生育だけでなく、害虫に対する防御機構にも影響を与える重要な要素である。
土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良い
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土壌分析でリン酸値が高いと、糸状菌由来の病害リスクが高まり農薬使用量増加の可能性も高まる。土壌中の吸収しやすいリン酸が多いと、病原菌が増殖しやすく、作物と共生する糸状菌は自身の力でリン酸を吸収するため共生しなくなるためだ。土壌分析では吸収しやすいリン酸しか検知できないため、リン酸値が高い場合は注意が必要。しかし、土壌中には吸収しにくいリン酸も豊富に存在するため、リン酸肥料を減らし、海外依存率を下げることも可能かもしれない。
環境保全型栽培を謳うならば、家畜糞による土作りを止めることから始めるべきだ
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牛糞堆肥の多用は、土壌中の硝酸態窒素増加や金属要素吸収阻害を引き起こし、アブラムシ等の食害昆虫を呼び寄せます。その結果、殺虫剤の使用を招き、アブラムシを介してミツバチなど益虫への悪影響も懸念されます。環境保全型栽培を目指すなら、植物性有機物を主体とし、家畜糞は追肥に留めるべきです。稲わら等の活用や緑泥石の土壌改良効果にも注目し、持続可能な農業を目指しましょう。
アブラムシが排出する甘露にネオニコチノイド
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とあるマメのアレロケミカルの話は、インゲンマメが害虫から身を守るために、様々な化学物質を使って複雑な戦略をとっていることを解説しています。まず、ハダニに襲われると、インゲンマメは葉から香りを出し、ハダニの天敵であるカブリダニを呼び寄せます。さらに、この香りは周りのインゲンマメにも伝わり、防御を促します。しかし、この香りは別の害虫であるナミハダニには効果がなく、むしろ誘引してしまうという欠点があります。このように、インゲンマメは生き残るため、多様な化学物質を駆使して複雑な戦いを繰り広げているのです。
今年最大の出来事は物理性の改善 + レンゲ + 中干しなしの稲作によるインパクトを感じたこと
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著者は今年、大阪府高槻市の米粉「清水っ粉」の取り組みが最も印象的だったと振り返る。注目すべきは、土壌の物理性を改善し、レンゲを栽培し、中干しを行わない稲作だ。この方法は、水管理、肥料、農薬のコスト削減、収穫量増加、生物多様性向上、周辺環境への好影響など、多くの利点をもたらす。さらに、清水っ粉のように米粉の製造・普及に取り組むことで、米の新たな需要を創出し、持続可能な農業を実現できる。この革新的な稲作と米粉の利用拡大は、農業所得の向上、環境保護、地域活性化に貢献する可能性を秘めている。
中干し無しの稲作でリン酸第二鉄を組み込むべきか?
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中干しなしの稲作では、リン酸の供給不足が懸念されます。中干しがないと土壌中のリン酸が溶脱しやすくなる一方、稲の生育期間が長いため、リン酸要求量も増加するためです。解決策としてリン酸第二鉄の施用が考えられます。リン酸第二鉄はジャンボタニシ防除剤として使用され、農薬登録の必要がなく、残存物は稲の肥料となります。また、鉄分供給は窒素固定細菌の活性化にも繋がり、リン酸供給不足と窒素固定能の向上という二つの課題を同時に解決できる可能性があります。ただし、リン酸第二鉄の原料は輸入に依存しているため、国際情勢に注意が必要です。
田からはじめる総合的病害虫管理
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中干しをしない稲作は、カエルの大量発生により、IPM(総合的病害虫管理)に貢献する可能性があります。カエルは世代交代の早い害虫を捕食するため、耐性を持つ害虫への対策として有効です。さらに、カエルは水田周辺の畑にも生息範囲を広げ、間接的に畑の害虫駆除にも役立ちます。畑にカエルを誘致するには、緑肥を植えておくことが有効です。緑肥は土壌環境改善にも効果があり、カエルの住みやすい環境を作ります。このように、中干しなしの稲作と緑肥を活用した畑作は、環境に優しく持続可能な農業を実現する可能性を秘めています。
ナメクジの天敵を探せ
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庭にナメクジが多いのは、水田の中干しをやめたことでカエルが増え、その天敵であるヘビも増えているからかもしれません。カエルはナメクジを食べる益虫ですが、ヘビは人間にとって脅威です。水田の中干しをやめることで、周辺の畑ではナメクジ被害が減る一方、ヘビが増える可能性があります。生態系のバランスは複雑で、一つの行動が思わぬ影響を及ぼすことを示唆しています。
物理性の向上 + レンゲ栽培 + 中干しなしの稲作の新たに生じた課題
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レンゲ栽培と中干しなし稲作で、土壌の物理性向上による肥料過多と倒伏が課題として浮上。レンゲによる窒素固定量の増加と、物理性向上による肥料効能の持続が重なった可能性。中干しのメリットは物理性向上により減少し、デメリットである高温障害回避と益虫増加の方が重要となる。解決策は施肥量減らし。この技術確立は、肥料・農薬削減によるSDGs、土壌炭素貯留によるCO2削減、鉄還元細菌によるメタン発生抑制に繋がり、持続可能な稲作に貢献する。
いもち病対策の要のMELは何から合成されるか?
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イネの葉面常在菌が合成するマンノシルエリスリトールリピッド(MEL)は、いもち病対策の鍵となる。MELは脂質と糖から合成されるが、脂質源は葉のクチクラ層を分解することで得られた脂肪酸、糖は葉の溢泌液に由来すると考えられる。つまり、常在菌はクチクラを栄養源として増殖し、MELを生産する。MELがあると様々な菌が葉に定着しやすくなり、いもち病菌のα-1,3-グルカンを分解することで、イネの防御反応を誘導する。このメカニズムを機能させるには、健全なクチクラ層と十分な溢泌液が必要となる。周辺の生態系、例えば神社や古墳の木々なども、有益な菌の供給源として重要な役割を果たしている可能性がある。
中干しなしの田の水が澄んでいる
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中干しなし、レンゲ後の稲作では、田の水が澄み、雑草が少ない。オタマジャクシが藻や若い草を食べることで除草効果が出ている可能性がある。オタマジャクシは成長後、昆虫を食べるようになるため、稲への影響は少ない。一方、中干しを行う慣行農法では、除草剤を使用する必要があり、コストと手間が増える。さらに、冬季の耕起は米の耐性を下げる可能性もある。中干しなしの田んぼは、オタマジャクシの働きで除草の手間が省け、環境にも優しく、結果としてコスト削減に繋がる可能性がある。
秀品率の低い田では、イネの根元にイモムシがたくさん
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乾土効果は、冬季に土を乾燥させることで病害虫を抑制し、土壌構造を改善する伝統的な農法である。しかし、土壌生物全体への影響を考慮すると、その効果は限定的と言える。土壌乾燥は一部の病原菌や害虫の密度を低下させる可能性がある一方で、有益な微生物や土壌動物にも悪影響を及ぼす。結果として、土壌の生物多様性が低下し、病害虫に対する抵抗力が弱まる可能性もある。さらに、乾燥による土壌の物理性の変化は、必ずしも作物生育に有利に働くとは限らない。乾土効果を狙うよりも、土壌生物の多様性を維持・促進する土壌管理が、長期的には病害虫抑制と地力向上に繋がる。
木炭の施用と合わせて何の緑肥のタネを蒔けばいい?
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サツマイモ基腐病対策として、土壌消毒ではなく木炭施用と緑肥栽培が有効です。黒ボク土壌ではリン酸過剰が病原菌繁殖の原因となるため、緑肥でリン酸吸収を促進し土壌から持ち出す必要があります。ソルガムやヒマワリはリン酸吸収に優れる緑肥ですが、背丈が高いためサツマイモとの混植は困難です。代替として、エンバクや背丈の低いマルチムギが考えられます。緑肥栽培中は土壌消毒を避け、リン酸吸収と土壌改良を優先することで、病原菌の抑制とサツマイモの耐性強化を目指します。
菌根菌は木炭の施用で活性化する
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トマト栽培の最大の課題である青枯病は、病原菌ラルストニアが植物の維管束に侵入し、水分の通導を阻害することで萎凋を引き起こす細菌病である。有効な農薬が少なく、連作障害の一因にもなるため、対策は困難とされている。土壌消毒は一時的な効果しかなく、耐性菌出現のリスクも伴う。接ぎ木は有効だが、コストと手間がかかる。生物農薬や土壌改良による抵抗性向上、土壌水分管理、輪作などが対策として挙げられるが、決定打はない。青枯病対策は、個々の圃場の状況に合わせた総合的なアプローチが必要とされる複雑な課題である。
サツマイモの大産地で基腐病が蔓延しているらしい
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サツマイモ基腐病が産地で蔓延し、収入減を引き起こしている。病原菌 *Plenodomus destruens* による基腐病は、牛糞堆肥の使用と連作が原因と考えられる。牛糞堆肥は土壌の糸状菌バランスを崩し、基腐病菌の増殖を助長する可能性が高い。また、連作も発病を促進する。解決策は、牛糞堆肥を植物性堆肥に変え、緑肥を導入して連作障害を回避すること。しかし、緑肥は時間を要するため、肥料による対策も必要。農薬は、既に耐性菌が発生している可能性が高いため、効果は期待できない。天敵であるトリコデルマやトビムシの活用も、牛糞堆肥の使用を中止しなければ効果は薄い。
稲作で殺虫剤の代わりはあるか?
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殺虫剤抵抗性を持つカメムシ類の増加により、稲作における殺虫剤の効果は低下している。天敵に頼る防除が重要だが、精神的な負担も大きい。そこで、ドローンを用いた黒糖液肥散布が有効な予防策として考えられる。植物はグルタミン酸で防御反応を活性化させるため、黒糖液肥に含まれるアミノ酸がイネの物理的損傷への耐性を高める可能性がある。さらに、アミノ酸は防御物質の合成や天敵誘引にも関与し、総合的な防御力向上に繋がる。病気や害虫発生時の農薬散布といった対処療法ではなく、事前の予防が重要性を増している。
無効分げつの発生を抑える為の中干しは必要なのか?の続き
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レンゲの土作り効果を高めた結果、稲の生育が旺盛になり、中干しの必要性が議論されている。中干しはウンカの天敵減少や高温ストレス耐性低下を招くため避けたいが、過剰生育への懸念もある。しかし、カリウム施肥量削減による土壌有機物蓄積増加の研究報告を鑑みると、旺盛な生育を抑制せず、収穫後鋤き込みによる炭素貯留を目指す方が、温暖化対策に繋がる可能性がある。レンゲ栽培の拡大は、水害対策にも貢献するかもしれない。現状の施肥量を維持しつつ、将来的には基肥を減らし、土壌有機物量を増やすことで、二酸化炭素排出削減と気候変動対策の両立を目指す。
稲作の害虫の天敵が集まってくる田
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ヒメトビウンカはイネ科雑草で越冬し、春に水田へ移動して増殖する。薬剤抵抗性を持ち、殺虫剤散布は効果が薄く、天敵を減らすことで逆効果になる。天敵はクモ、カエル、ゲンゴロウ、ヤゴ等で、これらを維持するには、冬期湛水や畔の草刈り回数を減らす等、水田周辺の環境保全が重要。また、畦畔の除草剤も天敵減少につながるため、使用を控えるべき。ウンカの発生を抑えるには、殺虫剤に頼らず、生態系を維持した総合的な対策が必要。
メタリジウム属糸状菌は植物と共生する
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殺菌剤の使用は、しばしば害虫による食害被害の増加につながる。これは、殺菌剤が害虫の天敵である菌類も殺してしまうためである。例えば、うどんこ病菌に感染したアブラムシは、特定の菌類に感染しやすくなり、結果的にアブラムシの個体数が抑制される。しかし、殺菌剤を使用すると、この菌類も死滅し、アブラムシの個体数が増加、ひいては作物への被害拡大につながる。同様に、殺虫剤と殺菌剤の併用は、拮抗菌を排除し、標的害虫の抵抗性を高める可能性も示唆されている。つまり、病害虫防除においては、殺菌剤の安易な使用を避け、生態系のバランスを考慮した総合的な対策が重要となる。
トマトの栄養価から施肥を考える
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トマトの栄養価に着目し、グルタミン酸による防御反応の活用で減農薬栽培の可能性を探る記事です。トマトには糖、リコピン、リノール酸、グルタミン酸が含まれ、特にグルタミン酸は植物の防御機構を活性化させます。シロイヌナズナではグルタミン酸投与で虫害に対する防御反応が見られ、トマトにも応用できる可能性があります。黒糖肥料の葉面散布によるグルタミン酸供給で、虫害を減らし光合成効率を高め、果実品質向上と農薬削減が期待できます。グルタミン酸は人体ではGABA生成に関与する旨味成分でもあります。ケイ素施用による効果検証記事へのリンクもあります。
土壌中に青枯病菌を捕食する生物はいるのか?
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トマトの青枯病対策として土壌消毒は効果が薄く、土壌中の原生生物に着目する必要がある。原生生物は細菌を捕食し、その際に植物ホルモンが増加して発根が促進される。青枯病菌は深さ40cmに潜伏するため、緑肥栽培で深く根を張らせることが有効である。緑肥栽培時は発根促進が重要なので、土壌改良材は緑肥に施肥する。根が土壌を耕し、形成する役割も重要。
トマト栽培の最大の課題の青枯病についてを見る
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土壌病害、特に青枯病はトマト土耕栽培における深刻な問題であり、水耕栽培への移行の大きな要因となっている。青枯病菌は土壌消毒の有効範囲より深い層に潜伏するため、消毒は初期生育には効果があるように見えても、長期栽培のトマトでは後期に根が伸長し感染してしまう。結果として消毒コストと人件費の損失に加え、土壌劣化を招く。感染株の除去も、土壌中の菌を根絶しない限り効果がない。解決策として、果樹園で行われる土壌物理性の改善、特に根への酸素供給に着目した土作りが有効と考えられる。緑肥活用なども土壌改良に繋がる可能性がある。根本的な解決には、土壌環境の改善と病害への抵抗力を高める土作りが不可欠である。
牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみると
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兵庫の進学校の高校生に肥料の話をした著者は、窒素肥料を減らして炭素資材を増やす土作りを提案した。生徒は土壌中の炭素の役割を理解し、微生物の餌となり土壌構造を改善することを説明できた。しかし、窒素肥料を減らすことによる収量減を懸念し、慣行農法との比較で収量が減らない具体的な方法を質問した。著者は、土壌の炭素貯留で肥料コストが下がり収量が上がる海外の事例を挙げ、炭素資材の種類や施用量、土壌微生物の活性化、適切な窒素肥料量の見極めなど、具体的な方法を説明する必要性を認識した。生徒の疑問は、慣行農法に慣れた農家にも共通するもので、新たな土作りを広めるには、具体的な成功事例と収量への影響に関するデータが重要であることを示唆している。
イチゴの栽培は受光の質を意識することからなのかもしれない
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温室メロン栽培におけるハダニ防除にUV-B照射の効果検証が行われた。実験では、UV-B照射によりハダニ雌成虫の産卵数が減少し、死亡率が増加。さらに、UV-B照射区ではハダニの天敵であるカブリダニの増加も確認された。これらの結果から、UV-B照射はハダニ防除に有効である可能性が示唆された。しかし、実用化には照射量や照射時間、メロンへの影響など、更なる研究が必要である。また、UV-Bランプの設置コストや運用コストも課題として挙げられている。
ヘアリーベッチの可能性を探る
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富山県農林水産総合技術センターは、大豆の増収と地力増強を両立する技術として、ヘアリーベッチとライ麦の混播に着目した。窒素を多く含むヘアリーベッチと炭素を多く含むライ麦を組み合わせることで、土壌への窒素供給と土壌有機物の増加を同時に実現する狙いだ。ヘアリーベッチ単播に比べ、大豆の収量は10a当たり約20kg増加し、土壌の炭素量も増加傾向が見られた。ただし、ヘアリーベッチの窒素含量が高すぎると大豆の生育初期に過剰な窒素供給となり、雑草の繁茂を招く可能性があるため、適切な窒素量のヘアリーベッチを選定することが重要である。この技術は、化学肥料や堆肥の使用量削減にも貢献し、環境負荷軽減にもつながる。
葉緑素の分解産物が根の抵抗性を高めるらしい
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農研機構の研究で、葉緑体分解産物であるフィトールがトマトの根のセンチュウ抵抗性を高めることが判明した。フィトールはクロロフィルの分解過程で生成されるアルコールで、土壌中のフィトールが根にエチレンを蓄積させ、抵抗性を向上させる。このメカニズムは、緑肥を刈り倒し土壌に成分を染み込ませる方法と類似しており、土壌消毒にも応用できる可能性がある。緑肥カラシナによるイソチオシアネート土壌消毒と組み合わせれば、相乗効果でセンチュウ被害や青枯病などの細菌性疾患を抑制し、根の養分吸収を維持、ひいては地上部の抵抗性向上にも繋がる可能性がある。
ヒメトビウンカの越冬からウンカの防除を考える
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レンゲ米の品質向上には、レンゲの生育と窒素固定量の確保が鍵となる。そのため、適切な播種時期と量、リン酸肥料の施用が重要。特に、レンゲの生育初期にリン酸が不足すると、その後の生育と窒素固定に悪影響が出るため、土壌診断に基づいたリン酸施用が推奨される。また、レンゲの生育を阻害する雑草対策も必要。除草剤の使用はレンゲにも影響するため、適切な時期と種類を選ぶ必要がある。さらに、レンゲの開花時期と稲の生育時期を調整することで、レンゲ由来の窒素を効率的に稲に供給できる。収穫後のレンゲ残渣の適切な管理も重要で、すき込み時期や方法を工夫することで、土壌への窒素供給を最適化できる。これらの要素を総合的に管理することで、レンゲ米の品質向上と安定生産が可能となる。
ジャンボタニシの対策の前に生態を知ろう
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ジャンボタニシ対策には生態の理解が重要。徳島市は椿油かすの使用を控えるよう注意喚起している。ジャンボタニシは乾燥に強く、秋にはグリセロールを蓄積して耐寒性を上げるが、-3℃でほぼ死滅する。ただし、レンゲ栽培による地温上昇で越冬する可能性も懸念される。レンゲの根の作用で地温が上がり、ジャンボタニシの越冬場所を提供してしまうかもしれない。理想は、緑肥によってジャンボタニシの越冬場所をなくすことだが、乾燥状態のジャンボタニシに椿油かすのサポニンを摂取させるタイミングが課題となる。