先日、とある肥料袋を見て、下記の様な話題が挙がった。


見ていた肥料は有機質配合肥料、つまりは数ある有機質肥料を混ぜ合わせた肥料のことで、その肥料袋に記載されていたNPKが11:6:4の様な数字だったかな。


その数字を見て、有機質肥料の配合肥料でNが10を超えるなんてありえないだろ!というもの。


有機質肥料でNが10を超えるものはなかなかなく、窒素分が多いとされる油粕系が7付近。


窒素分が多いとされる皮粉のNが12と、配合肥料の構成でほぼ皮粉であったらあり得るけど、

それだったら、わざわざ配合にせず皮粉だけで使えよというツッコミを入れたくなるものだ。

肥料成分の偽装に関する意見について



で、有機配合肥料のNの数字が高くてあり得ないよという話題になったわけだ。


しかしだ、家畜糞のことを良く知っていれば、Nの数字が異様に高い有機配合肥料が作れることは想像できる。




unmature_chicken_drop


例えば、鶏の生糞。

発酵鶏糞ができるまで2:成分編


他の家畜糞と異なり、固形の小便が混じっている。


この小便というのが、


uric_acid

(画像:尿酸 - Wikipedia)


尿酸で、この物質はウリカーゼという尿酸酸化酵素等を経て


nyoso

(画像:尿素 - Wikipedia)


尿素となる。


尿素と言えば尿素肥料だ。

NPKでいえば、46:0:0で窒素が大量に含まれている肥料となる。


たとえば、


unmature_chicken_drop


鶏の生糞を遠心分離して、うまく白い箇所(尿酸)と黒い箇所(糞)を分けられたとする。


この時得られた白い箇所は有機肥料になるはずで、その白い箇所を自然に分解させれば窒素が46%含まれる肥料の出来上がり。


この肥料を配合肥料全体の1/4になるように配合したら、その時点でNは最低でも11になる


だから、有機配合肥料でNが10を超えるのは、何も不思議ではないけれども、有機質肥料を使っている感覚で、尿素だらけの肥料を使うとなると、それはそれで残念過ぎる…


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